iCloudのディープな小技

MacのiCloud設定に「書類とデータ」とありますが、これは何の設定なのでしょうか。というのも、iWorkもしくはMircrosft Officeなどのオフィス文書はiOS 5の機器同士でしか同期出来ません。

iPadのユーザーガイドには、iCloudの「書類とデータ」を有効にするとリーディングリストが同期されると記載されていますが、何回か試してみたところ、リーディングリストの同期は「ブックマーク」のオン/オフが影響し、「書類とデータ」のオン/オフは関係ありませんでした。

他にユーザーガイドには、「iCloudと連動しているAppの書類とデータを保存する」と記載されていますが、MacとiOSで連携するアプリはiWorkくらいしか思いつきません。

しかし、MacからiCloudへiWorkのファイルをアップロードするには、ブラウザでicloud.comにアクセスしてファイルをドラッグ&ドロップしなければいけません。(詳しいファイルのアップロード手順はこちら

そういうわけで、「書類とデータ」の謎を解き明かすべく、あちこち調べまわっているとAppleのサポート掲示板にディープな小技が貼付けられているのを発見しました。

 

 

HOWTO  sync your iWork Documents to iCloud & iOS5 iwork without (!) browser

(https://discussions.apple.com/message/16385895#16385895)

 

 

ブラウザでiCloudにファイルをドラッグ&ドロップしなくても自動的にファイルをアップロードする方法です。

そのやり方をかいつまんで説明します。

 

MacからiCloudへ文書を自動アップロードする方法

事前準備

  • iCloudのiWorkが使える状態にしておきます。

(iOS 5のデバイスでKeynote/Pages/Numbersのいずれかを起動して「iCloudを使用する」を選択する)

  • MacのiCloudの設定で「書類とデータ」を有効にしておきます。

MacのiCloudフォルダ

次のフォルダがiCloudで使用されるフォルダのようです。

 

~/Library/Mobile Documents

 

アップロードファイル保存場所

文書の種類に対応する以下のフォルダにファイルを保存すると、自動的にファイルがiCloudにアップロードされます。

タイミング的には、保存した瞬間にアップロード処理が開始されているように見えます。

Keynote

 ~/Library/Mobile Documents/com/com~apple~Keynote/Documents

 

Numbers

 ~/Library/Mobile Documents/com/com~apple~Numbers/Documents 

 

Pages

 ~/Library/Mobile Documents/com/com~apple~Pages/Documents

 

アップロードが完了するとiOS デバイスで参照、編集出来る状態になります。

 

感想など

アップロードのみなのが少し残念ですが、まあ、アップロードを手早くするにはいいかもしれません。

少し気になるのは、OS X Lionから~/Libraryは一般ユーザには見えないフォルダになっているので、ユーザが利用することを想定されていなさそうで、この小技によってトラブルが起こる可能性もあることです。

私の「~/Library/Mobile Documents」のフォルダには、GoodReaderのフォルダなどがありました。GoodReaderは、iPadの文書管理アプリのことだと思うので、どうやら「書類とデータ」をオンにすると、アプリがiCloudで使用しているデータをMacの「~/Library/Mobile Documents」フォルダに同期するようです。

少しだけ「書類とデータ」の謎が解けました。

おそらく、iOSのiWorkとMacのiWorkは今のところ互換性がないのでしょう。きっと、そのうちMacのiWorkがiOSのiWorkと互換性を持つようにバージョンアップされて、iCloudと同期出来るようになるのでしょう。今しばらくの辛抱という感じですね。

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  2011/11/09 iCloudのディープな小技2