iOS 5.0.1 betaリリース

開発者向けにiOS 5.0.1 beta(9A402)がリリースされました。

改善点は、次のとおりです。

  • バッテリー浪費のバグを修正
  • 初代iPadにマルチタスクジェスチャーを追加
  • クラウドの文書に関するバグを修正
  • オーストラリアユーザー向けの音声認識を改善
  • セキュリティーの改善

どれも巷で囁かれていた不満ですね。解決のめどがついてよかったです。

バッテリーの減りが早いというのはよく耳にしましたし、位置情報サービスをオフにするとかなり改善すると言われていました。つい最近、アップルがユーザに連絡を取って解決に取り組んでいると報道されたばかりですが、もう解決できたんですね。素早い対応に驚くばかりです。

初代iPadでマルチタスクジェスチャーが使えないのも不思議がられていました。きっとリリース時に何かのミスがあったのだろうという噂もありました。このホームページでも初代iPadでマルチタスクジェスチャーを使えるようにする方法を紹介していました。正式に使えるようになって初代iPadユーザには朗報ですね。これが使えるとかなり操作が楽になって便利になりますもんね。

iCloudで文書が消えるというのはAppleサポートフォーラムにたくさん記事が投稿されていましたし、どこかで再現動画も見た覚えがあります。いろんなケースがありすぎてリリース時には全てのパターンを網羅できなかったのでしょう。

iCloudという1つの単語になっていますが、実際にはデータによってその仕組みが全く違っています。フォトストリームは文字通りデータの一方的なフローだし、バックアップはデータの保管場所、ブックマークや文書はデバイス間の同期処理のように見えます。ユーザーにはその仕様が明らかにされていないので、実際はブックマーク(含リーディングリスト)と文書の仕組み(処理方法)も違うのかもしれません。この仕組みが明らかになっていないせいで、各デバイスに設定パネルがあることも合わさって、ユーザーには設定の仕方が正確には分からず、消えた!となってしまうことも多いのではないでしょうか。私も、一度やらかしてしまって、ブックマークを消してしまいました。(iCloudのご利用は計画的に…

こういう不安定なシステムというのはIT業界ではありがちで、その原因のほとんどは仕様がいつまでたっても確定せず、一度作ってみてはやり直し、また作ってはやり直しと優柔不断な仕様のせいで起こります。IT業界の方は誰しも経験があるのではないでしょうか。私も何度も自分や依頼者の優柔不断な仕様のせいでこんなシステムが出来上がってしまった経験があります。iCloudというApple独自のクラウドを作りたかったせいで何度も仕様が変更され設計が変更されて一貫性のないユーザーにはよくわからないシステムが出来上がってしまったのでしょう。それは、利用者に向けてのブックマークや文書共有についての仕組みやパターン別の詳しい設定手順の説明がないことや、リーディングリストの設定に関するiPadのユーザーガイドの説明が間違っていることなどからそいういったAppleの内部事情がうっすらと見えてきます。

しかし、もうリリースされたのだから後は問題を修正していくしかないわけで、Appleの開発者のがんばりを期待するばかりです。たとえ一貫性がなかったとしても、今の仕様がユーザーに取って一番便利だという判断なのでしょうし。この機会にこの場を借りて積年の思いを申し上げると、理不尽な仕様を実装させられる開発者は同情されるべきだと思いますし、なんとかつじつまを合わせてしまうスーパー開発者には心から敬意を表します。

セキュリティの改善は、このホームページでも紹介した、iPad2のパスコードロックをスルーするケースのことのようです。

ソースは、9to5のApple fixes iPad 2 Smart Cover passcode security flaw with iOS 5.0.1という記事です。

iOS 5.0.1 betaリリースに関しては、次の記事も参考になります。

■日本語

engadget日本版: iOS 5.0.1 はバッテリー消費改善、初代 iPad にジェスチャ復活

■英語

9to5mac: Apple seeds iOS 5.0.1 to developers, ‘fixes bugs affecting battery life’

関連記事

  2011/11/12 無線でiOSアップデート