Flashはなくなるのか?

AdobeがAndroidブラウザのFlashの開発を終了するらしいですね。

少し前にiOSにFlash動画配信を可能にしたとか、Flash Player11をリリースしたりとかあったのでまだまだAdobeもFlashで頑張るんだと思っていたんですが違ったみたいですね。

Appleに続いてWindows 8 のIE10でもFlash比対応を宣言されてしまったのでFlash関連の製品の売上が下がっていたのでしょうか。

ちなみに第3四半期までの財務資料を見てみると、全体の数字は前年よりも良くなっています。

今回発表されたAdobeの成長戦略では、これからデジタルメディアとデジタルマーケティング分野へ事業を再編するということです。

デジタルメディア分野というのは、コンテンツオーサリングに関することで、Creative Suite製品シリーズとCreative Cloudが今後この事業の中心に位置づけられるようです。

デジタルマーケティング分野は、Webなどのコンテンツを活用したマーケティングと広告を管理、測定、最適化するソリューションを提供する事業のようです。

ということで、今回発表された内容の中にはFlashに関する部分が具体的には見当たらないのですが、今年Adobeが買収した企業(Demdex,Auditude,Typekit...)のことと今回の発表内容を合わせて推測してみると、もうFlashがなくても儲かる仕組みが出来たといったところでしょうか。

ところで、AppleがFlashをやめてHTML5へ移行すると言って自サイトにHTML5で出来るアニメーションなどのサンプルページ(http://www.apple.com/html5/)を作ってから確か1年はゆうに過ぎていますが、それほどHTML5の普及は進んでいませんね。まだHTML5の仕様がかたまっていなくて、それどころか勧告目標が2014年と言われていたりするせいですけど。

コンテンツを提供する側としては、今のところHTML5だけでやろうとすると大変なことが多いです。ブラウザによる実装の違いを吸収するためにコードがものすごい記述量になって、やる前から心が折れます。また、ブラウザによって実装の進捗度合いも違うので、全てのブラウザで同じように表示出来るようにしようとすると、出来ることが限られてきます。

参考までに、現在のブラウザのHTML5実装の進捗度合いは、ここで見ることが出来ます。

http://html5test.com/

アクセスするとブラウザのHTML5実装状況がスコアで表示されます。

主なブラウザのスコアはこうなっています。(450点満点です。)

Desktop ブラウザ

ブラウザ バージョン スコア
Google Chrome 15.0.874.106 342
Google Chrome 16.0.891 343
Mozilla Firefox 8.0 314
Safari 5.1.1 293
Internet Explorer 9 141
Internet Explorer 10 300

Tablet

OS/ブラウザ デバイス スコア
iOS 5 iPad2 296
Opera Mobile 11.10   269
Android 3.2
Samsung Galaxy Tab
215
webOS 3 HP TouchPad
195

Mobile phone

OS/ブラウザ デバイス スコア
iOS 5 iPhone/iPod Touch
296
Opera Mobile 11.10   269
Firefox Mobile 6   254
Android 2.3
Google Nexsus S and others
177
webOS 2.1
Palm Pre Plus, Pre2
155

こんな違いを吸収してくれるFlashはやっぱりすごいなと言わざるを得ませんね。

使う側の視点になると、バッテリーくいだし、CPUも余分に使うのか動画を見るとMacBookのファンがぶん回ってうるさくなるし、しょっちゅうセキュリティホールが指摘されて危ないしとさっぱりなんですけどね。

今回のAdobeの発表で、HTML5への移行が促進されそうですが、なるべくスッキリとした使いやすい仕様になることを願うばかりです。

iPadでFlashを見る方法で紹介したSplashtopというアプリの新バージョン1.6.5.2がリリースされています。若干問題が改善されているようですが、入力に関してはまだおまけ程度です。

■変更内容

  • iOS5による日本語入力問題の修正
  • コンピューター一覧の更新機能の改良
  • 3G接続の安定性の改善